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創園長おたより

 滝山しおん保育で毎月発行している園だよりに掲載された記事です。

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025年12月号

 

『予防医学としての生活、保育、教育』

 

 その保育園、その学校に通う子どもたちが、そこでの生活や学びを楽しいと感じることができたら素晴らしいと思います。しかし、学校に通うことがいろいろな観点でストレスとなってしまう場合も多くあります。その場合、そこに通うことによって心、身体、精神が病んでしまうことになります。しかし、その保育園、学校に通うことによって、その子どもが健康になれたらどうでしょう。

 

 健康とは何か、とても大きな問いだと思います。いろいろな捉え方があると思います、その一つに「健康生成」という考え方があります。

 

 健康とはどのような状態でしょうか。熱がない、風邪をひいていない、骨が折れていない、医者にかかっていない、疲れていない、などをまず考える人が多いかと思います。この状態はマイナスでない状態と、言えます。調子がいい、美味しく食事をいただける、機嫌が良い、などはプラスの状態と言えるかもしれません。

 

 健康生成では、マイナスでないという意味での健康状態ではなく、身体も心も精神もプラスの状態としての健康になるにはどうしたらよいか、ということを扱ってきます。アントノフスキーという人が提唱者ですが、人間が自分を健康と感じるために大切なこととして「処理・操作可能性」、「理解可能性」、「有意味性」の三つと「首尾一貫性の感覚」を挙げています。

 

 簡単にいると、自分にできる、どうしたら良いかわかりそれを行うことができると感じることが「処理・操作可能性」、それがどんな物事であるかを理解する、物事の関連性を把握できることが「理解可能性」、ものごとに意味があることを感じ取ることが「有意味性」で、そしてそれらの主体である自分に首尾一貫性を感じることが「首尾一貫性の感覚」です。それらを感じられる時、自分が健康である感じるというのです。

 

 その中で、特に乳幼児に大切なのは「処理・操作可能性」。生活の中で色々なことを自発的に自主的に行ってみて、うまくいったり、うまくいかなかったりの繰り返しの中、それができるようになり、それに伴う身体能力も育ち、新しいことに対してもこうしたらそれができるということを無意識に感じて、それを行っていく。それによって人間としてどのように生きていったら良いかを身につけていきます。それができる時、乳幼児は健康なのです。

 

 その保育、その教育を受けることによって、子どもは健康になるということは、「予防医学」としての保育、教育とも言えると思います。

 

 しおん保育園に通うことによって、しおん保育園で働くことによって、子どもも大人も健康になれたらどんなに素晴らしいでしょう。そのような保育園を目指していきたいと思います。

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