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創園長おたより

 滝山しおん保育で毎月発行している園だよりに掲載された記事です。

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025年9月号

 

『「発酵」で「発光」?』

 

 私は料理をするのがとても好きなのですが、10年以上前から、ぬか漬けをしています。ぬか床はホーローの四角い密閉容器を使い、冷蔵庫で保存しています。本やネットなどの情報源から「ぬか床にこれを入れるといい」というものを、いろいろと追加したり、いろいろな方のぬか床を分けていただいてブレンドしたりしてきた結果、我ながら美味しいと思うぬか漬けができるようになったことは、ぬか喜びではなく「ぬか漬け喜び」です。

 

 胡瓜、茄子、蕪、人参、大根などのぬか漬けの定番野菜の他にも、いろいろとつけてみています。ブロッコリーの芯、青パパイヤ、まだ硬いアボカドはとても美味しいです。この夏は出かけ先の道の駅で「コールラビ」を発見。これは漬けなきゃと購入。キャベツの芯のぬか漬けのような味で、シャキッとした食感もあり美味でした。

 

 美味しい自然栽培や地元産の野菜を選んでつけていますが、冷蔵庫の野菜室で忘れられていたような野菜も、ぬか漬けにすることによって復活して美味しくいただけます。発酵によって本来の野菜の質が復活する感じです。ぬか漬けにした野菜をポテトサラダやチャーハンに入れるのもとても美味しいです。

 

 留守をする時などは、家族にぬか床の世話を頼むことがありますが、通常は疲れていても酔っ払っていても、ほぼ毎日ぬか床を混ぜています。ぬかに触るとなぜか落ち着きます。夏は冷たくて気持ちがよいのですし、冬は冷蔵庫から出して、しばらくしてから混ぜると、そんなに冷たさを感じずにすみます。

 

 「好きなものは何ですか?」と聞かれると、「発酵した食べ物と飲み物」とよく答えています。ぬか漬け、納豆、キムチ、チーズ、ヨーグルトなどは日常的にいただきますが、普段の料理に使う醤油、味噌、みりん、酢、魚醤、塩麹などの調味料も発酵食品。日本に生まれてよかったと本当に思います。そして、くさや、鮒寿司、アンチョビ、サラミなどの発酵食品は発酵した飲み物を誘います。台湾の屋台で食べた臭豆腐も忘れられません。

 

 発酵食を含む日本の伝統食は、腸内環境をよくする働きがあるといわれますが、しおん保育園の食事は、基本が日本の伝統食。たくあん、高菜、白菜などの漬物も味噌も園で作っていて、子どもたちもお手伝いをします。夏のプールの時期に幼児たちは園で作った胡瓜の醤油漬け(キューちゃん)や味噌、梅干しなどで塩分補給。この暑い夏を乗り切るのに役立っています。伝統的な発酵食品である漬物を、手を使って自分で作っていくこと、そして漬かった美味しお漬物をいただくこと。これは本当に素敵なことだと思います。「発酵」食品を食べることで、個性の光が輝く「発光」する人に育つかも、などと考えてしまいます。

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