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園長お便り

​こちらは、園だよりで掲載されている巻頭言です。

2022年7月号

『天使のお仕事

 

 

 天使は、どこにいるのでしょうか。天使は、私たち一人ひとりといつも一緒にいます。でも普通は、天使の姿を見ることはできません。

 一人ひとりの子どものそばには、その子どもを守り導いてくださるその子の天使がいます。でも子どものところにだけに、天使がいるのではありません。大人のところにも天使はいます。お母さん、お父さん、保育園の先生のそばにも、その人を導いていく天使がいるのです。では天使は、いったいどんなお仕事をしているのでしょうか?

 子どもの天使のお仕事は、その子どもといつも一緒にいること。朝起きる時も、保育園にいる時も、家にいる時も、その子どもと一緒にいるのです。でも天使はとても恥ずかしがり屋さんなので、気づかれないように、静かにそっと、そこにいるのです。では、天使は一緒にいて何をしているのでしょうか。

 すぐ近くにいて、その子どもを優しく見守っているのです。ちゃんと起きられるかな、ご飯を美味しく食べているかな、保育園にはちゃんと行けるかな、お友達といっしょに楽しく遊んでいるかな。年長の子どもが家族と離れても合宿で楽しく過ごしているかな。そんなことを、優しく見守っているのです。

 でもよいことや楽しいことだけを、見ているのではありません。友達と喧嘩をしていることも、泣いていることも、お漏らししてしまったことも、ご飯を残してしまったことも、お母さんに怒られていることも、いたずらをしていることも、嘘をついてしまったことも、みんな優しく見ているのです。

 でも、天使は一緒にいて、見ているだけはありません。時々、子どもたちに、どうしたらよいかを教えてくれるのです。よいことをしようとするとき、どのようにしたらよいかを、天使は私たちに教えてくれるのです。でも、天使が教えてくれたことに、私たちは気がつきません。

 天使の他の大切なお仕事は、それはお昼寝のときや夜に眠るとき、眠りの世界に連れて行ってあげること。そして目覚めるとき、眠りの世界からこの世界に連れて来てくれること。これは天使にしかできない、とても大切なお仕事です。でも私たちが眠るときや起きるとき、天使が手伝ってくれていることには、私たちは気づきません。天使は恥ずかしがり屋さんですから、気づかれないようにお仕事をしているのです。

 そして天使の大切なお仕事はもう一つあります。それは子どもの様子を、神様にお伝えすること。その子がどのように過ごしたか、どんなことがあったかを、天使は神様にお話しします。そうすると、神様は今度その子どもにどんなことを教えてあげたらいいかを、天使に教えてくれるのです。

 大人の天使も、子どもの天使と同じようにいつも近くにいますが、子どもの天使とは違います。大人のことは、いつもは放っておくのです。でも、大人が自分でやっているのを、優しく見守ってくれていて、本当に困っているとき、大切なときには、そっと気づかれないように、どうしたらよいかを教えてくれるのです。

 普通は、天使の姿は見えません。天使の声も聴こえません。でも耳を澄ましてみると天使の声が聴こえることがあるかもしれません。天使は恥ずかしがり屋さんですから、きっと小さい、きれいな声でお話ししているかもしれません。

 子どもや大人自身の天使の声に耳を澄ましてみませんか。

(以前、礼拝の時間に子どもたちにしたお話です)

​過去のお便り

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