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創園長おたより

 滝山しおん保育で毎月発行している園だよりに掲載された記事です。

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024年12月号

​『冬の季節と闇の中の光』

 

 今年は猛暑の夏の後、彼岸花も金木犀も例年より遅い開花でしたし、秋に色づく前に枯れた葉をつけた街路樹も見かけます。またゆったりとした秋はないまま寒い冬になるような流れも感じます。不思議な動きの台風や集中豪雨や落雷も多く、今年も異常気象ということになるのでしょう。しかしその中でも、私たちが暮らしている地域では、四つの季節がはっきりしており、季節の廻りを体験することができます。それはとても素晴らしいことです。

 

 一年間の中には四つの節目、冬至、春分、夏至、秋分があります。これから迎える冬至は夜が一番長く昼が一番短い日。冬至を境に昼が長くなり始め、春分で昼と夜の長さが同じになります。春分を過ぎると昼の割合が増えていき、一番昼が長く夜が短くなるのが夏至です。今度は夏至をターニングポイントとして昼が減り始め、秋分で昼と夜が同じ長さになり、夜が一番長い冬至へと向かいます。闇が一番多く、そこから光が増え始めるのが冬至。光の誕生の時でもあります。

 

 この繰り返される季節の廻りを、毎年新たに驚きをもって、様々な感覚を通して直接体験していくことは、子どもの成長発達を促し、そして私たち大人の生命力も高め、心にも精神にも力を与えてくれます。

 

 夏には自然界には色と光が溢れ、人の生活、営み、意識は外へと向かっていきます。美しく咲いた花々や茂った緑の葉、たくさんの虫たちが活動し、子どもたちも水遊び、花火、お祭りなど、夏ならではの活動を楽しみます。蝉の代わりに秋の虫の合唱が響き渡り、秋の青空が広がると、植物の熟した実や色づいた葉は大地へと落ちていきます。芸術の秋、読書の秋などと言われますが、外界の光や色に向かっていた心や意識が自分の内側に向かい始めます。そして冬が始まり、十二月になって心や意識が最も内的になっていくのが冬至。ちょうどクリスマスの時期に重なります。

 

 乳幼児期の子どもの一番の課題は、身体を作り育んでいくこと。そして人間の心や精神と比べると、人間の身体は外の自然界の一部と言っても過言ではありません。季節の廻りや、その中でのいろいろな変化を感じて楽しめるような生活。それは子どもの身体の成長発達に大きくプラス要因として働きます。そのために一番大切なのは、子どもの傍にいる私たち大人が、自然界に現れる季節の廻りに、美しさを感じる開かれた感覚と驚く心を持っていること。感覚の門を開き、目を開き、耳をすましてみると、それによる季節の体験は、私たち大人の身体も心も精神も健やかにしてくれます。そして真っ暗な冬至のクリスマスに生まれる光を、外の自然界にもそして自分の心の中にも感じられたらと思います。

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